銀山温泉

 ついに来ちゃったなー、と感慨深いもの・・・ありました。

 ※以下はネタバレなきよう「必ず行こう」としている方は読まれないで下さい。

 山形では快晴だった天候は大石田に近づくにつれ雪が舞い始め、駅に着いた時には結構な降雪具合で、願ったり叶ったり雪景色の銀山温泉が見れそうだな、なんて思い返せばこの電車を降りて改札を出たくらいまでが、この旅行中の頂点でした。

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 行商中大雪に阻まれたという友人が「今ここにいる」と雪降る銀山温泉のガス灯を写メールをしてきたのは2001年だったか2002年で、かれこれ15年も前。

 その思ってた時間の長さの分、期待が高まり過ぎてたんでしょうね。

思っていたのが「どう」「こう」と明確にあるわけじゃないんですが、温泉街の規模や位置的なものが想い描いていたものとは違っていました。

 駅から宿のバスで35分くらいですか、道中あまり雪深いとも感ぜず(道端にはそれなりに積雪はありましたが)山奥感はなく、道に坂道感(勾配)がないのでさほど標高も上がってきたように思わず。

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 余り情報を入れずに居たんですが、勝手な想像で標高も1000mとかそれなりにあるため雪深く、山一つ超えた人里離れた山間部だと思っていました。

車窓を眺めているとそれなりに山間の感じはあるものの(郊外とも思えませんが)除雪のしっかりされてる道路で、勝手に期待していた秘境感のようなものが出てくることなく、雪道の不安を全く感じないままさらっと到着。

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さほど規模の大きくない温泉街だということを見聞きして知ってはいたんですが、想像以上にずっと小規模という第一印象は否めなく、宿は少なく部屋数も多くはなさげで、日が沈んだ後街が抱え込める人数はそんなに多くないことでしょう。

が、その容量よりもはるかに街の面積が物凄く小さいなというのが一回り後の印象。

 鄙びた温泉「街」だと勝手な想像をしていたんですが、宿以外にあるのは土産物屋が2~3軒と食事処が2~3軒?のみで、「街」という体ではないと思いました。

もうすこし、300mとか500m四方の規模で温泉街してると思ってたもので。

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 どこの宿も直前まで見ていましたが、正月休みでほぼ空きはなかったのでそれなりの人口密度を覚悟して行きましたが、日帰り客と見られた中国人と韓国人が目立っていた時間以外は人の多さは感じませんで、総人口は思っていたより多くない。

 何かを撮ろうとして人が入ってしまうのは今の観光地ならどこでも同じこと。

行き場が部屋と風呂と川沿いの道100mだけなので想像の範疇なはずなのですが、その「多くはない人の存在」を悪目立ちさせていたのが宿で貸し出してるのスタジアムコートのような防寒具

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上の写真左下隅にも写っていますが、あちこちで写真撮影している何人かのまとまり・集団が同じ防寒具で=結構な面積の同じ色の塊となっていくつも風景の中に浮いて存在しているのはまあ酷い。

 街の規模というか灯りの少なさですかね、カメラの性能を発揮させたインチキ写真だとかなり賑やかで、撮り甲斐のある場所のように見えてましたが、実際行ってみたらその灯の少なさに寂しさの方を感じたほどで、その感じた情緒とどこから眺めても目に入る防寒具の色の落差に興も醒めて行き・・・。。。

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 そうした目で見てると消えてるガス灯だったり、営業していない建物に気がいく。

 ガス灯は0時頃まで灯っていたと思います(23時過ぎまでは確認)。ただ21時を過ぎると宿屋の照明が減るんでしょうね。居たら感じる程度に少し暗くなると思いました。

 

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 他の旅館のお風呂や外湯に行けなかったことは心残りです。気づいて行った時にはもう17時を回っていて「地元の方以外は~」となっていたので断念。(観光案内所作成外湯マップお手数ですが右クリックで開いて元の大きい画像を見てください)

 あと改築して袋叩きにあっていた藤屋さん。実際行って目にしてみたら、あんなにボロクソ言われてしまうほどの違和感は(当時からしても)なかったんじゃないかなーと思いました。

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自分的にはその左右にある公衆浴場と営業していない旅館の方が浮いているように見えましたから。宿泊していない(以前を知らない)人間の目には言われている程悪く映ってはないんじゃないかなーって。藤屋さん前で写真撮られてる方を何度も見ましたし。

 

 帰ってきて書きながら一番近いなと思ったのが比較的アクセスの良い「スキー場」。

そんなに山奥でもなく、かといって「スキー場」というゲレンデを中心として形成された集落なので土産物屋や食事処も1つか2つと多くなく、その営業時間も決して長くなく限定的。

ピーク時の人の多さの割りに行動の自由度といいますか、選択肢の少なさで行動が制限されてしまうという点で、スキー場に隣接されてるようなホテル、旅館で過ごすのととてもよく似てるなと思いました。

 そして何もない不自由きわまるド田舎か、比較的何でもある都心の両極端を好む自分の嗜好、や志向に合わないんだなっていうのが、着いた3時間後には感じていた感想。

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宿の体系が1泊2食付という昔からある日本の旅館のみなため(各旅館素泊まりもあるようなんですが)、周りに他の選択肢(飲食店)が生まれず、そこが自分には温泉街、旅館としての居心地は決して悪いもんじゃないけれど何泊も過ごす環境として不満なんだと結論付けました。

 訪れるまでは最低2泊、なんだったら3泊と意気込んでいたんですが、実際そうしていたらどうなっていたことやら。

コンビニがないとかそれくらいのことは2~3泊なら買い込んで行けばすむことですけど、車で1時間下りなければ何もないというほどの秘境じゃないので、いざなんか物足りなさを感じた時に、もう割り切って「籠もろう」とは思えない立地と感じたんです。

歩いて行ける範囲には何もなくて不便ではあるんだけれど、ちょっと車で走れば何かあるそんなに不自由な場所ではない(除雪もちゃんとされる)ため、もし2~3泊を自分の車で行ってたら、ちょっと買出しだの、お昼を食べに車出しちゃうだろうなという。

 容量(総人口のようなもの)の小ささから来てるもんだと思いますけど、歩いて行ける範囲である程度のことが揃う温泉「街」じゃない、伊香保や草津と比べてしまっているからこういう風に思うんでしょうが、やはり期待していたよりどっちつかず、中途半端だったと思います。

 ただお風呂や旅館含めていいトコだったと思います。ただ残念だった感じの感想を言っている理由は「ここで何泊も」とは思わず、1泊で充分、1泊向きと感じてしまった、ということでしょうね。

 

追記

 中韓の旅行者が目立っていたと書きましたが、聞くところによると去年まではそうでもなかったが今年(2017-2018)は増えたと。中韓台(中国、韓国、台湾)それぞれ同じくらいの割合で、それら三国の方たちと比べて現状はまだ日本人の方が多いそうですが・・・。

 

 一月以上経って思ったことですが、行って「ガッカリした」という感想は台湾の九份へ行った時のものと同じで、ダブつく部分がある(景観的にもそう)なとは思っていたんですが、両所の訪後感には微妙な違いなんですけど大きな差がありまして、例えば「行こうと思ってるんだけど」と話を振られた時に、九份の方は「(行きたいと思ったなら、台北から遠くはないし)とりあえず行ってみたらいいんじゃないかな」と答えるのに対して、銀山温泉の方は「(何が何でも行きたいのでなければ)行かなくてもいいんじゃないかな・・・」と消極的な返答が浮かぶんですね。

 これが表現できてない心情を一番伝えられてるかなーと、今ントコ思います。

 「行かない方がいい」とまでは言いませんし思ってませんが、「行かない幸せ」もあると思っています。憧れはずっと憧れのまま、近づかない方がいい場合も・・・ありますよね(笑?

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